近年になり退院調整看護師のニーズが高まっている理由は?

近年、退院調整看護師のニーズが高まっていることは、看護師の方々はご承知のことと思います。しかし、この背景を考えると様々な問題が浮き彫りになってくるのも事実なのではないでしょうか?ここでは、退院調整看護師の需要が大きくなっている背景を探っていきましょう。

 

少子高齢化が着実に進んでいる日本では、以前から国民医療費がどんどん増加していて、何らかの対策を行う必要がありました。また、検査のしすぎや薬の出しすぎも医療費の増加を促していました。2002年の診療報酬改定で、急性期病院における入院日数が17日以内とされたことは記憶に新しいでしょう。また、2006年に示された医療費適正策ではさらなる入院日数の短縮化が言われましたし、2008年には、在宅患者緊急入院加算・退院時共同使用料といった退院調整に関する加算が設定しましたよね。

 

国民医療費の削減のための入院日数短縮によって、まだ入院が必要な患者も退院せざるを得ない状況が作られてしまい、退院も含めた入院時・入院中の患者に対する支援がどうしても必要になってきたのです。中には転院という患者もいます。入院日数の削減は、言葉は悪いのですが、「病院をたらい回し」にするという状況をも発生させてしまいました。

 

ここに退院調整看護師という存在がクローズアップされたわけですね。

 

医療依存度の高い方々と言えば、高齢者、後遺症などの残る方、難病の方々などいろいろなケースが考えられます。彼らが在宅療養(場合によっては施設も)していくためには、家族をも含めた包括的な地域ケアを考える必要が出てきます。

 

そのため、地域の様々な機関(訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所など)と連携して、患者が在宅療養を行う上での様々な支援の計画・実施が退院調整看護師に求められ、また期待されているのです。

 

加速度的な高齢者の増加は、退院調整看護師のニーズをさらに高めていくと思います。また独居老人などの増加も当然考えられますので、病院における退院調整業務はこれからもっと重要視されていくでしょう。

 

「退院調整にあまり興味はない」という看護師ももしかしたらいるかもしれません。しかし、時代はそれを許さない状況になっていくことをよく認識していただければ、と思います。

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